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【トレンド広州】荔湾区に生えたゴージャス建物の行方2025.11.21

坑口駅からバスに揺られて50分。直行便がないため、途中で乗り換える羽目になる(2018年撮影)
同ビルは荔湾区の白鵝潭経済圏最南端に位置し、イタリア人建築家ジョゼフ・ディ・パスカリが設計した環状構造の超高層ビルだ。高さ138m、外円直径146.6m、内円直径47m、地上33階建てという独特のスケールを誇り、2013年12月に完成、15年8月から使用が始まっている。
このような円形の奇抜な建物は広州だけでなく、瀋陽や杭州などにも建てられており、一時期の建築トレンドの一つであったことは間違いない。
広州が誇るこのランドマーク的建物であるが、2022年4月に親会社の鴻達興業グループが複数の債券不履行を起こし、23年2月には破産清算を申請する事態となった。同年10月には予備募集と投資家の選定が完了し、今後の処理方法は投資家の意向に委ねられる状況である。
13.6亿!“广州圆”打折甩卖,这次能寻得有缘人吗?
キワモノ「広州圓」、ついに身売りへ
先日、阿里拍売(アリババのオークションプラットフォーム)に、広州圓を所有する広東興業国際実業有限公司の再建投資権が掲載され、11月13日に公開入札されることになった。
この“再建投資権”とは、実質的に広州圓とその運営会社の一括売却の意味で、評価額は約17億元、開始価格は約13.6億元〜と、2割引の設定である。果たしてこのクセの強いランドマークは、無事に“次の持ち主”を見つけられるのだろうか。
広州圓とオーナー企業の興亡
創業者の周奕豊氏はプラスチック貿易で財を成し、「プラスチック王」と呼ばれた人物で、2020年には130億元の資産で胡潤世界富豪ランキングに名を載せ、絶頂期にあった。
同グループは2013年、総投資額10億元を投じて広州圓を建設した。高さ138m、国際的デザインチームによるもので、「天円地方」をテーマに設計されている。
デザイナーは、この建物の形は「古代の銅銭」を意味し、川面に映る姿と合わせれば“8”の字に見えるため、縁起の良い象徴になると説明していた。
しかし多くの市民には受け入れられず、「成金ビル」「広州十大・最も醜い建築」の常連として揶揄されていた。
22年には、広州農商銀行が同グループの債権売却を予告し、広州圓を抵当物に含めたが、その日のうちに告知は削除された。 23年には再建投資家の募集が行われたものの、進展せず停止。そして25年9月、広州市中級人民法院が再建手続きを開始し、広州圓が再び“市場に戻ってきた”のだ。
買い手は現れるのか? 鍵はエリアの将来性
まず、このオークションは破産再建の一環であり、落札者は単に金を払えば終わりではなく、実行可能な再建案を提示し、裁判所の承認を得る必要がある。手間もリスクも大きい。
さらに広州圓は商業ビルとして、賃料下落と空室増大という二重苦を抱えている。2023年にはニュース記者が現地を訪れ、40分で出入りが20人に満たず、多くの施設が空いており、荒廃した状況が確認された。まさに“お荷物物件”である。

広州圓がある東沙エリアの地図。地下鉄10号線の開業により同地まで行きやすくなった
また、所在地である東沙エリアは近年急速に発展している。6月29日に地下鉄10号線の開通で“交通空白地帯”を脱し、商業施設COCO Parkの開業で人流が増加。周辺には「広州幸福湾」や「保利珠江天悦」など中高級住宅が相次いで建ち、生活環境が整いつつある。今年の9月8日には荔湾区黄沙から黄沙水産中心が同地に引っ越して、「東沙黄沙市場」(地図上だと東洛圍碼頭付近)となっている。
さらに計画面でも、「東沙国際商貿港」を核とし、247mの新ランドマークを建設するなど、大規模開発の青写真が示されている。白鵝潭エリア全体も加速的に整備が進む中、広州円が再び投資の焦点として浮上する可能性は十分にある。
11月4日18時時点で、オークションページは閲覧数がすでに1万人近くに達したが、まだ入札者は現れていない。
果たして“広州円”は今回、ついに本当の“縁ある買い手”を見つけることができるのだろうか。













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