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【今秋開港】広州国際空港T3の旅客処理能力は、上海虹橋+浦東を上回る見込み2025.07.24

2018年4月末に開業したばかりの広州白雲空港T2の様子
白云机场T3将启用,运量相当于浦东+虹桥,沙堤机场已影响运力发挥
広州白雲空港第3ターミナル(T3)の供用が間近に迫っている(10月末の予定)。これにより、同空港の旅客処理能力は年間1億4000万人に達し、単独空港としての規模は、上海の浦東空港と虹橋空港の合計に匹敵する水準となる。
現在、北京の双空港(首都+大興)の年間旅客数は1億1700万人、上海の双空港(浦東+虹橋)は1億2500万人である。一方、広州は単一空港体制のため、2024年時点では7636万人にとどまっているが、実際には既に飽和状態である。
2024年度の中国空港旅客取扱ベスト10
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広州は以前から第2空港の必要性が指摘されていたものの、適切な用地を確保するのが困難であった。そのため、広東省は高明地区を第2空港の候補地とし、白雲空港のT3拡張を同時に進めるという折衷案を採用した。
空域の安全管理上、空港間には一定の距離を確保する必要がある。しかし、先に深圳の宝安空港が建設されたことで、広州側で第2空港を配置できる空間的余地はほとんど残されていない。
珠江デルタ地域にある各空港
ただし、白雲空港のT3拡張と高明空港建設という計画には、沙堤空港が運用上の制約となるという課題がある。沙堤空港は規模こそ小さいが、白雲空港からわずか41㎞、高明空港からも50㎞という近距離に位置している。
民間の大規模空港における空域区分では、滑走路が3本以上の場合「B類空域」に該当し、半径20㎞、40㎞、60㎞の三重構造による空域管理が義務づけられる。
ただし、白雲空港のT3拡張と高明空港建設という計画には、沙堤空港が運用上の制約となるという課題がある。沙堤空港は規模こそ小さいが、白雲空港からわずか41㎞、高明空港からも50㎞という近距離に位置している。
民間の大規模空港における空域区分では、滑走路が3本以上の場合「B類空域」に該当し、半径20㎞、40㎞、60㎞の三重構造による空域管理が義務づけられる。
1950年代には人里離れた場所にあった羅村も、現在では佛山市の中心地であり、沙堤空港が市街地の発展を阻害する存在となっている。特に大瀝、獅山、張槎、南荘などの地域では空港の制約により開発が遅れている。
また、約300万人の住民が深夜に戦闘機の騒音に悩まされており、太平地区のように空港から5㎞未満の地域では、夜間の轟音がとりわけ深刻である。
さらに、軍民共用空港が市街地に存在すること自体、安全性や機密保持の観点から問題がある。より人里離れた佛山・肇慶の境界付近に移転すれば、地方経済のみならず軍の運用上も多くの利点がある。
確かに軍民共用空港の移転は簡単ではないが、過去には成功例も存在する。青島流亭空港や煙台莱陽空港はかつて軍民共用であったが、都市の発展に伴い移転された。
武漢の南湖空港(旧武昌)や王家墩空港(旧漢口)も同様に市街地にあったが、後にそれぞれ住宅地や商業地区へと再開発された。
広州と佛山においても、これらの都市に倣い、第2空港の建設完了後には沙堤空港の移転を関係機関に申請・調整すべきである。それにより、白雲空港の運用能力はさらに引き上げられ、佛山の未来の都市発展にも大きな利益をもたらすであろう。
2025年末に開業予定の広湛高鉄。新空港は佛肇駅にあたる