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【帰ってきたB級グルメ探訪隊】チベット独特の料理を堪能【喜馬拉雅藏餐庁】2025.06.05

チベットラサにあるポタラ宮

 世界各国の美食が集まる「食の都」として知られる広州において、実はチベット料理はあまり見かけない。中国の飲食店情報を網羅する「大衆点評」でも、チベット料理店は1〜2店舗しか掲載されておらず、非常に希少な存在である。今回は、その希少なチベット料理を味わうため、越秀区にある「喜馬拉雅藏餐庁」を訪れた。中原文化圏の料理とは何が異なるのか、じっくりと堪能してきた。

 

メインはヤクと羊の肉

 筆者はこれまでに三度チベットのラサを訪れたことがあるが、現地らしい郷土料理を口にした経験はなかった。新しい環境で新たな料理に挑戦する勇気がなかったこと、そしてどの料理が美味しいのか判断がつかなかったことが理由である。そのため、ラサ滞在中も主に中国各地で見られる一般的な家常菜(家庭料理)ばかりを食べていた。ゆえに、広州の越秀区にチベット料理店があると知ったときには、大いに驚かされた。

 

 

華僑新村にある喜馬拉雅藏餐庁の外観

 訪れた「喜馬拉雅藏餐庁」は、華僑新村という住宅区の中にある。このエリアは1958年に海外から帰国した華僑のために開発されたものであり、区内にはよくある集合住宅ではなく、東山口を思わせる洋館(別荘)がいくつも残っている。店舗の門構えは、チベットを訪れた際に見た建築様式とよく似ており、入口にはマニ車が設置されていた。店内には五色のタルチョ(経文旗)や木製の装飾が施されており、チベット地方の邸宅を思わせる内装となっている。随所にこだわりが感じられ、演出の徹底ぶりに感心させられた。
料理のメインは、羊肉とヤク(犛牛)の肉である。豚肉や鶏肉を多用する中原の中華料理とは一線を画しており、チベット料理ならではの個性が光っていた。

 

料理そのものが独自性

ヨーグルト(酸奶)は1杯20元。なかには甘酸っぱい桑の実が入っている

 

藏地涼地拌鹿菜角(78元)。酢の香りが強い

 

 「喜馬拉雅藏餐庁」では、チベット高原の自然と文化を反映した独自の料理が提供されており、一品ごとにその土地の風土を感じることができる。今回は、数品を注文し、味と香り、見た目を含めてじっくりと味わった。
まず食前に出てきたのは酸奶(ヨーグルト)であった。発酵の酸味がしっかりと効いており、20元とは思えぬ存在感がある。続いて、前菜として選んだのは藏地涼地拌鹿菜角(チベット風山菜の冷菜)である。冷涼な高地で採れた鹿菜(野草)を使い、さっぱりとした味つけで、山の空気を感じるような清涼感が口いっぱいに広がった。

 

豚肉の旨みと野菜のシャキシャキ感が見事に調和していた荷蘭豆炒藏猪肉

 

豚の細切り肉として出すところをヤクの細切り肉として出している青椒犛牛肉絲

 

クミンの入った羊肉を炒めた孜然羊肉

 

犛牛肉干巴(138元)はミントの葉っぱを素揚げしており、干し肉の旨味を引き出している

 主菜のひとつ、荷蘭豆炒藏猪肉(スナップエンドウとチベット豚の炒め物)は138元とやや高めだが、豚肉の旨みと野菜のシャキシャキ感が見事に調和していた。また、青椒犛牛肉絲(ピーマンとヤク肉の細切り炒め)は48元と手頃な価格ながら、犛牛肉の独特の弾力とコクが印象的であった。
肉料理の中でも特に存在感があったのは、孜然羊肉(クミン風味のラム炒め)である。クミンの香ばしさが強く、168元の価値を十分に感じさせる逸品であった。また、犛牛肉干巴(干しヤク肉)はチベット料理の代表格とも言える一品で、濃厚な旨味が凝縮されており、酒の肴としても秀逸であった。

 

混ぜて食べる犛牛肉蓋被。味付けが濃いため、パイ生地との相性は抜群

 

素炒菜心は野菜の甘味を感じさせる一品

 

ヨーグルトを和えたサラダの酸奶沙拉

 

クルミの花の和え物拌核桃花(78元)は強い酢が使われている

 

キノコの濃厚な旨味が詰まった菌煲湯

 

 炭水化物物は犛牛肉蓋(大)を選んだ。158元と高価ではあるが、肉のボリューム、濃いめの味付け、香ばしいパイの皮との相性は抜群で、満足度の高い一皿であった。
野菜料理も充実しており、素炒菜心(チンゲンサイの素炒め)はシンプルながらも野菜の甘味を感じさせる一品である。また、拌核桃花(クルミの花の和え物)や酸奶沙拉(ヨーグルトサラダ)も、チベットらしい素材の活かし方が見られ、味わいに奥行きがあった。
汁物としていただいた菌煲湯(キノコの煮込みスープ)は78元。高地ならではのきのこを数種類使っており、滋味深い出汁が疲れた体に染みわたるようであった。

 

そこまで酸っぱくない酸蘿卜炒牛肉(88元)

 

甘いミルクティを予想して飲んだらしょっぱかったミルク茶

 最後に試したのが酸蘿卜炒牛肉(酸味大根と牛肉の炒め物)。大根の酸味と牛肉の旨味が絶妙に調和しており、味のバランスが素晴らしかった。
飲み物はミルク茶を注文。チベットらしく塩味の効いた風味で、日本の甘いミルクティーとはまったく異なるが、これが料理との相性がよく、食後の余韻を引き立ててくれた。

 

喜馬拉雅藏餐庁データ
住所:越秀区環市東路華僑新村和平路6号
営業:11:00〜23:00
電話:020-8349-2470
予算:87元(大衆点評)

 

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