YUWA LIFE

INFORMATION

小米YU7発表と競合3車種との比較2025.07.10

上半期の話題となった小米YU7。小米公式サイトより

 2025年6月に発表された小米(Xiaomi)の新型EVクロスオーバーSUV「YU7」は、テスラModel Yに匹敵する性能を備えつつ、25万元台からの価格設定により、中国EV市場における競争を激化させた。発売直後には、約20万件の受注が3分、28万9000件が1時間で殺到し、今では納車が来年まで待たされるなど脚光を浴びている。今回、中国自動車界を代表とする人気車種のBYD 唐EV、問界M9(PHEV)、小鵬G6(EV)と各性能を比較してみた。

情報源公式サイト及び各社車両画像
小米YU7
ttps://www.xiaomiev.com/yu7?c=baidu_brandyu7
BYD唐LEV
ttps://www.byd.com/cn/dynasty-home/models/tang/tang-l-ev?utm_source=1&utm_term=3&ad_id=18
問界M9(PHEV)
ttps://aito.auto/test-drive/?model=m9&utm_medium=cpc&utm_source=baidu&utm_campaign=F2A_baidu_bdpz_PC_M9
小鵬G6
https://www.xiaopeng.com/?reserve_source=168801
汽車之家
ttps://www.autohome.com.cn/7793/#pvareaid=3311277

レスポンス

ttps://response.jp/article/2025/06/30/397656.html

 

小米が人気の秘密

 2025年6月に発売した小米YU7は、スタンダード/Pro/Maxの3モデルを展開し、最高出力508kW〜(690PS〜)、0–100㎞/h加速3.23秒(Max)というスポーツカー並みの性能を誇りながら、価格は24万~33万元と圧倒的なコストパフォーマンスを実現している。CLTC基準(中国小型商用車走行サイクル=実燃費)で最大835㎞(Maxは760㎞)の航続距離を持ち、800Vシステムと5.2C急速充電により15分で最大620㎞分の充電が可能。NVIDIA Drive AGX Thorを中心に、レーザーや4Dレーダー、11基のカメラ、12の超音波センサーを備えた先進的なADAS(自動運転支援)を搭載し、システム全体を統合する4 in 1コンピュートモジュールも装備する。デザイン面ではフェラーリやアストンマーチンを思わせるスタイリングに加え、全面ミニLEDパネルや高級ナッパレザーシート、マッサージ機能付き座席など内装の快適性にも妥協がない。発表後72時間で約29万件の予約が殺到し、中古車市場では数十万円の転売プレミアが付くなど、爆発的な人気と話題性を集めている。

 

外観及び動力ユニットの比較

BYD唐L

 

問界M9

 

小鵬G6

 これらの4車種を比較すると、小米YU7は(全長×全幅×全高㎜)4999✕1996✕1600、ホイールベース3000㎜という堂々たるボディサイズを誇り、フルサイズの問界M9(5230×1999×1800㎜)に次ぐ大型SUVでありながら、車内空間もゆとりがあり、後席のヘッド・レッグスペースに加え、678Lの荷室(最大1758L)と前方フランク141Lの収納を備える。バッテリーは96.3kWhを搭載し、航続距離はCLTC基準で最大835㎞(スタンダード)に達し、Proで770㎞、Maxでも760㎞を実現する。乗り心地は前後独立サスペンションに加え、ProとMaxグレードにはデュアルチャンバーのエアサスペンションを採用しており、高い快適性と柔軟な走行モードの調整が可能である。
比較対象となるBYD唐EVは、全長4870㎜とやや小柄だが7人乗りに対応し、675L〜最大1960Lの荷室を備え、電子制御サスによる重厚で安定感のある乗り味が特徴。
問界M9は最も大柄な車体と高級感のある内装を持ち、CLTC航続距離630㎞の100kWh級バッテリーを搭載しつつ、快適重視の高級サスで仕上げられている。
小鵬G6はコンパクトな中型SUV(4753×1920×1650㎜)で、517Lの荷室に加え前席フラット機能など都市型ユースに向いており、サスペンションはややソフトで乗り心地は良好ながら、荒れた路面ではやや敏感である。
全体としてYU7は、サイズ・収納・航続距離・乗り心地のいずれでもバランスに優れ、他の競合と比べて非常に高い完成度を示している。

 

4車種性能比較表

 

誰もが気になる自動運転技術について

 開発に鎬を削る自動運転性能において、小米YU7は独自開発の「小米HAD」を搭載し、車体上部に設置されたレーダーをはじめ、4Dレーザー、11台のカメラ、12の超音波センサーを組み合わせた高度なセンシングシステムに加え、NVIDIAのThor-Uチップを採用し、エアサスペンションとの連動制御も可能なL2+相当の先進的ADASを備えている。
BYD唐Lは自社開発のDiPilotを搭載し、上位モデルの一部にはレーダーも採用されており、L2+の自動運転支援機能に電子制御サスペンションの補助が加わる。
問界M9はHuaweiのADS3.0を採用し、レーザー、ミリ波レーダー、11台のカメラ、12の超音波センサーを装備して高度な認知と判断を可能とするL2+レベルのシステムを実現している。一方、小鵬G6はTuringAIベースのXPILOTを搭載し、レーザーは非搭載ながらもミリ波レーダーとカメラ群、NVIDIAドライブOrinチップを用いてL2+相当の自動運転支援を提供するが、他車に比べてハードウェア面で一歩劣る構成となっている。

 

4車種比較のまとめ

 4車種を比較すると、小米YU7は圧倒的なコストパフォーマンスと最先端の技術装備、さらに最大835㎞という長距離航続性能を兼ね備えており、先進性を重視する層に最適な選択肢である。一方、BYD唐Lは7人乗り対応や大容量ラゲッジといった実用性に優れており、ファミリーユースや荷物の多いユーザーに向いている。問界M9は内外装や装備において最も高級感があり、上質さを求める高所得層向けのフラッグシップSUVといえる。対して小鵬G6はコンパクトなサイズと抑えた価格設定により、都市型ユーザーやテスラModel Yの代替を狙う若年層を中心とした層に適している。

 中国での売れ筋となっている4車種。その脅威的な点は、親世代がこれらと同様の車に乗っているため、そのクルマで育った子どもたちが将来、日本車を選ぶ可能性が極めて低くなるということだ。現在、トヨタや日産といった日本メーカーは、こうした中国車に対抗するため、従来の常識を捨て、サプライヤーの選定を一から見直し、低価格でありながら高品質な新型車両の開発に取り組んでいる。レッドオーシャンと化した中国自動車市場が安定期を迎えるのは、まだしばらく先のことだろう。

ご興味がある方は、下記までお問い合わせください

その他のお知らせ

CONTACT お問い合わせCONTACT お問い合わせ

CONTACT