世界遺産に登録された 聖ポール天主堂跡から見たマカオ半島の景色
中国のなかでも特別行政区に組み込まれているマカオ(澳門)と香港。一国二制度を堅持するゆえ広東省と隣接する土地だがいっとき中国と離れた生活文化が続いていたため、言語、交通ルール、通貨、法律などは中国大陸とはまた違った進化を遂げています。広東省で暮らす人にとって、週末息抜きのつもりで訪れるこの2エリアはたまに行けば天国のような気分を味わえることは想像に難くない。カジノにグルメ、そしてドン・キホーテは広州在住の日本人にとって魅力いっぱい。今回は、日帰りできる広州〜マカオのコースを紹介ご紹介。
広州からマカオへの入口は拱北と横琴

マカオ大体マップ。面積は埼玉県さいたま市見沼区と差不多
中国大陸と海に囲まれているマカオ。マカオ半島と路氹島(タイパ)の2つに区切られ、この間は3本の橋で結ばれています。面積は30.8㎢と聞いてもピンときませんが、実は筆者の地元である埼玉県さいたま市の「見沼区(30.69㎢)」と大差ないほど小さい土地柄なのです。そんな広州からマカオへの入口は、陸路と海路の2通りがあります。陸路は珠海の拱北(=岐関)イミグレからマカオ側の関閘に入るルートと拱北から30分かけて西南の場所にある横琴イミグレから蓮花イミグレに入り氹仔島(タイパ)に向かうルート、香港から海上を経由する港澳珠大橋からのルートです。
鉄道の珠海駅そばに青茂イミグレがありますが、こちらは外国人は不可なので少し東に歩いて拱北から入りましょう。拱北ルート越えは徒歩、横琴ルート越えなら徒歩と高速バスでマカオに入ることができます。海路からなら、香港、珠海、深圳と言った場所から高速フェリーが出ているので、海が荒れなければ利用できます。
広州からのアクセスは高鉄かバス
広州からマカオに行くには、一般的なアクセスはハイヤーとタクシーを除き、珠海までの移動は鉄道か高速バスを利用することになります。高鉄は、広州南駅から珠海駅を結ぶ広珠軌道交通線(広珠城際線)から。1日70本前後の列車が運行しているので予約サイトの「12306」を使い乗車2日前までに予約をしておけば、何とかなります。片道所要時間は60分から80分前後。また、1日数本だが広州南駅から珠海経由で横琴までの列車が出ているし、珠海駅乗換なら同駅始発から横琴まで30本以上運行しています。珠海駅を出たあとは拱北=関閘まで真っ直ぐ進み人が進む列に倣って先に進めよう。
また高速バスは、微信のミニプログラムの「中旅巴士」より購入することができます。現在利用できる出発地点は雲来斯堡酒店(天河区黄埔大道西126号)、中国大酒店(越秀区解放路)、華厦大酒店(越秀区海珠広場)、花園酒店西門(越秀区環市東路)の4カ所。 珠海市中心部の拱北と隣接する岐関=関閘(Guānzhá、マカオ側イミグレ)まで向かいましょう。また、早朝からお昼の間、横琴イミグレ経由でマカオ内のマカオタワー(澳門旅游塔)、グランドリスボア(新葡京)、グランドリスボアパレスリゾート(上葡京)、マカオ空港(澳門機場)に向かうWナンバーのバスもあるので、ある程度マカオでの行き先が決まっているなら、直接向かったほうが良いです。
広州市内から拱北(=岐関)まで片道2時間〜2時間半。横琴経由のマカオ入りまで片道3時間〜3時間半かかります。
マカオ直行入り便.2025年5月
雲来斯堡酒店発関閘(岐関)行き
7:20〜19:20(1日12本)
横琴経由マカオ空港行き
8:30〜14:20(1日6便)中国大酒店発関閘(岐関)行き7:55、8:35、9:30、13:40
横琴経由マカオ空港行き
8:35、9:30、13:40華厦大酒店発関閘(岐関)行き
7:00〜19:30(1日25便)
横琴経由マカオ空港行き
8:00〜14:00(1日12便)花園酒店発関閘(岐関)行き
8:05、9:05
横琴経由マカオタワー(澳門旅游塔)行き
8:30
グランドリスボア(新葡京)行き
8:30
グランドリスボアパレスリゾート(上葡京)行き
8:30
マカオ空港行き
8:05、9:05
イミグレからマカオに向かう場合
拱北からの場合、徒歩で岐関イミグレを越えてマカオ(関閘)に入ることができます。ここから市内までは、高級ホテルから無料シャトルバスが出ているのでこれに乗って移動。リスボア、ベネチアン、ギャラクシーといったホテルに向かうバスに乗れば、途中で何箇所か停車するので、目的地に近ければ降りてみましょう。
ただし、常に混んでいる岐関イミグレを抜けるのに通常だと1時間はかかるのでそこも考慮に入れてください。

横琴イミグレと関閘イミグレを結ぶマカオバス25B路

横琴イミグレとマカオのタクシー
横琴イミグレからの場合、現在横琴とマカオのイミグレカウンターが隣同士になっているため、移動自体はラク。対岸の蓮花イミグレからマカオの氹仔島路氹(タイパ島コタイ)に向かう路線バスは、25Bが横琴澳方口岸駅から拱北方面の関閘口岸までだいたい1時間半かけて結びます。1回乗車6パタカ。ルートは、パリジャン(巴黎人)前、運動場、官也街近く、マカオ大橋(真ん中)、リスボア(葡京)近くを走ります。
交通カードのすすめ

澳門通はマカオ市内のコンビニで買えるが、イミグレでは売ってない。カードを買う際、中国の電話番号で実名登録をした

路氹のコンビニ
マカオ市内を縦横無尽に移動したい方にとってお薦めはプリペードの公共バスカードの「澳門通」。マカオ市内のセブンイレブンで売っており、100香港ドル(パタカ)あれば買える。マカオ市内にはマカオ半島と氹仔島を結ぶ路線バスがたくさん出ているため、料金の高いタクシーを利用するより、公共バスを利用したほうがずっとお得。
また、路氹から蓮花イミグレに向けて氹仔島を走るモノレール(澳門軽軌鉄路、氹仔碼頭〜機場〜蓮花〜排角〜運動場〜媽閣)は、2019年12月10日開業。2両の車両が全自動運転で動き、前面ガラス張りで見晴らしはいいものの、15分に1本という運行は少なすぎるし、駅はギャラクシー(銀河)前の排角駅以外はホテルから若干離れており不便。1回乗車3パタカ〜だが、香港ドルは受け付けていないので注意。切符(コイン形状のトークン)を買うとき現金(パタカ)か澳門通が必要。
2024年12月に横琴〜蓮花を結ぶ横琴線が開業しました。

薄緑色の線がマカオモノレールルート。横琴線は2024年12月に開業

15分に1本走っているモノレール
路氹ではコンビニが少ないため入手に苦労する澳門通だが、一度入手できれば公共交通機関の支払いストレス(お釣りが出ないなど)が一気に軽減。マカオのコンビニでチャージできます。公共バス移動は百度地図で目的地を入力すると、最寄りのバス停から目的地までどの路線バスが出ているか調べることができます。
宿泊ホテルについて

路氹には世界中からいいとこ取りを集めたキラキラホテル。とにかく敷地面積が広い
氹仔島の埋立地の路氹にはシェラトン(喜来頓)、ロンドン(倫敦人)、ギャラクシー(銀河)、オークラ、ベネチアン(維尼斯人)、MGM(美高梅)、パリジャン(巴黎人)、シティオブドリーム(新濠天地)、スタジオシティ(新濠影匯)、ブロードウェイ(老百匯)、カールラージフォールド(卡尔拉格斐奢華)といった超豪華ホテルが同じエリア内にひしめいていますが、複数の高級レストラン&ブランドショッピングモールとカジノを備えた複合施設のため1ホテルの面積はかなり広いです。
普通に隣のホテルに移動するものなら軽く500mは歩かされます。こういった豪華5つ星ホテルの周りは生活用品を売っているスーパーなどは皆無のため、必然的にコンビニを探すことになりますが、ないです。
例えばギャラクシーから北に徒歩400m進んだところにある官也街のセブンイレブンか、MGMの敷地内にあるサークルKが最寄りのコンビニ。1日中ホテルカジノに入り浸っているなら綺羅びやかででかいホテル滞在もいいですが、市内観光や地元グルメ店巡りをしたいならアクセス至便な街中(官也街周辺)か半島側にあるホテルがいいです。
両替と買い物について

マカオ半島にあるドン・キホーテ
マカオの通貨はパタカですが、香港ドルも使える場所があります。人民元からパタカへの両替をやっているところは少ないですが、ホテル敷地内に設置されているカジノなら人民元から香港ドルの両替を行っています。ちなみに、コンビニ及びレストランではパタカと香港ドルは使用OK。お釣りはパタカで来ることが多いです。
ただし、21年9月にマカオ半島にオープンしたドン・キホーテ(DON DON DONKI Studio City)などは、パタカしか使えないので要注意。あと外国人は微信支付と支付宝は使えません。対応策として、銀聯カード払いか国際クレジットカード払いならできます。
ビニール袋は有料になるため、たくさん買うときはでかいエコバックかスーツケースを忘れずに。広州で売っていないお酒やカップ麺、お菓子などが目の前に並ばれると、ついついお財布が緩みがちになるので買いすぎに気をつけましょう。
高級ホテルのレストランならポルトガル料理や高級西洋料理、高級中華などが堪能できますが、出費も馬鹿にならないことは忘れてはいけません。各ホテルのフードコートには日本のレストランチェーンが入っているますが、1食100パタカ(=100香港ドルも可)前後かかります。地元料理を楽しみたければ、茶餐廳(中華式ファミレス)がお薦め。マカオ半島のリスボアから関閘の間のレストラン街、氹仔島路氹の官也街などが有名です。
関閘イミグレを経て拱北(岐関)イミグレに出る場合、外国人は1階にある珠海入境のパスポートコントロールセンターで審査を受けます。青い入国カードに記入が必要なのでペンはマスト。左手の指紋採取が行われて、あとは簡単な質問があっただけで居留証があればすぐに入れます。
いくら珠海からの列車本数が多くても、広州南駅からさらに地下鉄乗換を経て1時間かけて戻るのが嫌だったから、拱北イミグレを出たあと地下2階にある岐関バスターミナルに向かいましょう。
微信(中旅巴士)で予約から支払い(途中の天河区黄埔大道にある曁南大学まで65元)までできます。拱北から広州まで途中拱北長距離バスターミナルに寄って約2〜3時間。筆者は曁南大学からはタクシーで自宅に戻りました。
この記事を参考に、その気になれば日帰りもラクラクのマカオ旅行をぜひ堪能してみましょう。
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