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中国で病気やケガをした場合の医療機関との関わり方【広州のトリセツ④】2025.04.24

※いらすとや

中国で病気やケガをした場合の医療機関との関わり方

中国滞在時には医療への不安がつきもの

 中国滞在中、異国の地で病気や事故、ケガに遭うのはとても不安なものです。文化や医療制度の違い、言葉の壁もある中、現地でどのように対応すべきか分からないという声も少なくありません。今回は、中国滞在中に万が一病気やケガをした場合の、医療機関との関わり方についてご紹介します。

 

海外旅行保険の加入は必須

 まず、中国をはじめとする海外に出かける際は、海外旅行保険への加入を強くおすすめします。この保険に加入しておくことで、予期せぬ病気やケガ、盗難、旅行のキャンセルといったさまざまなトラブルに備えることができます。
特に医療費に関しては、現地での治療費をカバーし、緊急時には通訳サービスやキャッシュレス治療が受けられるなど、安心して治療に専念できる環境が整っています。
ただし注意点もあります。一度大きなケガや病気で保険を利用し、補償額を上限まで使ってしまうと、翌年以降その病気に対して補償が出なくなることがあります。さらに、利用回数が多い場合は保険会社から更新を断られるケースもありますので、保険の使い方には注意が必要です。
また、歯科治療は保険適用外となることが多く、基本的に自費診療となります。治療後、会社に請求できるケースもありますが、事前に確認しておくことが大切です。

 

日系クリニックは心強いサポート役

 中国の大都市には、日本語で診察・相談ができる日系クリニックが存在します。これらのクリニックでは、日本人スタッフや日本語が通じる医師による対応が受けられるため、言語の不安なく診察を受けることができます。
また、必要に応じて現地の総合病院や専門病院を紹介してくれたり、処方薬を用意してくれるなど、海外での健康管理を支える強い味方となってくれます。
ただし、重篤な病気や大きなケガをした場合は、現地の大病院に入院するか、日本へ帰国して治療を受ける必要があります。現地の病院に入院する際には、海外旅行保険を利用することで個室の手配や通訳のサポートも可能です。
しかし、こうした入院や高額な治療費が保険から支払われた場合、翌年の保険料が大幅に上がったり、更新自体を断られるケースもあります。将来的な影響も考慮して判断することが重要です。

 

持病がある方の注意点

 特に40代以降になると、体調の変化を感じやすくなり、持病を抱えている方も増えてきます。高血圧や痛風といった病気は、薬でコントロールできることも多いですが、それ以上の生活習慣病や慢性疾患を抱えている場合には注意が必要です。
基本的に、持病は海外旅行保険の補償対象外となっています。特に駐在員向けの保険特約であっても、例えば180日を超える滞在では補償が切れるケースもあり、以降の治療費は自己負担となることもあります。※企業ごとに福利厚生の範囲が違いますので、駐在される方は会社の総務に聞いて下さい

そのため、持病がある方が中国で治療を受ける場合は、自費で現地の病院に通うことが多くなります。日系クリニックを通じて予約を取ることも可能ですが、通訳費用が別途必要になるほか、中国では治療費が原則前払いとなります。
また、外国人専用の窓口は料金が高めに設定されていることが多く、現地の一般窓口を利用すると、予約や受付、支払いに長時間待たされることもあるため、スケジュールに余裕を持って受診するようにしましょう。

 

日系クリニックがない都市でのケガや病気の対処法

 海外旅行中や赴任先で、日系クリニックのない地方都市に滞在している場合、不安も大きくなると思います。特に言葉が通じない環境で病院を受診するのは、誰でも戸惑うものです。そんなときのために、以下の対応方法を知っておくと安心です。

1現地の大病院(外国人窓口)を利用する

 中国の中規模以上の都市には、外国人患者向けの窓口を備えた総合病院や、国際部を設けている医療機関が存在します。これらの病院では、以下の対応が期待できます。
* 英語または簡単な日本語に対応するスタッフがいることがある
* 治療費の支払い方法に関する説明が明確
* 一部の医療通訳サービスに対応

★注意点:こうした窓口は外国人向けのため、料金が割高になることがあります。また、診察費は前払いが基本で、現金またはクレジットカードの準備が必要です。

2海外旅行保険のアシスタンスサービスを活用する

 保険に加入している場合、保険会社のアシスタンスセンター(24時間対応)に連絡しましょう。状況を伝えると、以下のような支援を受けられることがあります。
●現地で対応可能な病院の案内
●医療通訳の手配(電話または現地派遣)
●キャッシュレス治療が可能な医療機関への紹介
●緊急時の移送手配(場合によっては日本への搬送)
●保険証券に記載された緊急連絡先は常に携帯しておくことをおすすめします。

3翻訳アプリや中国語フレーズを活用する

 どうしても通訳が手配できない場合は、翻訳アプリ(例:Google翻訳、DeepL、微信など)や、事前に用意した医療フレーズ集を使って対応しましょう。最低限伝えたい情報としては:
●「頭が痛い」「発熱がある」「薬を飲んでも効かない」などの症状
●アレルギーの有無
●服用中の薬や持病(高血圧、糖尿病など)

例:
●我头疼(wǒ tóuténg)=頭が痛い
●我发烧了(wǒ fāshāo le)=熱があります
●我对〇〇过敏(wǒ duì 〇〇 guòmǐn)=〇〇にアレルギーがあります

4これ便利!咄嗟のときの微信翻訳機能

 相手に何かを言いたくても発音が悪く聞き取ってもらえずもどかしい思いをしたことがありませんか?
それを解決すべく、最新の微信では、テキスト文字を中国語に翻訳できる機能が備わっています。
知らない土地で病気や怪我を負ったとき、症状を伝えるためにこの機能設定を覚えておいたほうが良いです。

チャット中、入力の日本語の枠を長押しする

②そうすると、文字上にメニューが出てくるので翻訳を選ぶ
③下からテキストを次の言語に翻訳という画面が出てくるので簡体中国語を選択
④以降日本語で入力したその上に中国語が表示される。「使う」を押すと、翻訳後の中国語が入力される

 

中国での治療に国民健康保険を使うための基本ルール

 中国で治療を受けた際、日本の国民健康保険に加入していれば、「海外療養費制度(療養費の支給)」を利用することで、医療費の一部を払い戻してもらえる場合があります。
この制度は、日本に住民登録があり、国民健康保険に加入していることが前提です。以下では、中国での治療を例に、日本人が全額自己負担で受けたケースをもとに解説します。

現地でやっておくべきこと(中国で治療を受けた場合)

現地病院または日系クリニックから診断書をもらう → できれば日本語または英語で記載されたものが望ましい。日系クリニックであれば日本語の診断書を発行してもらえる。現地の病院では中国語のみの診断書が来るので翻訳が必要です。日系クリニックで翻訳してもらえますが、翻訳費が別途かかる場合もあります。

②治療の経過や内容が分かる資料を準備する → 診断書に含まれることもありますが、可能であれば経過記録(いつ、どのような治療を受けたか)をまとめておきましょう。

③治療費・入院費などの支払い証明(領収書や発票)を保存する → 原本(紙)だけでなく、データとしての保存も有効です。 → 月をまたぐ治療の場合は、月ごとに明細を分けて申請する必要があります。
病院名・住所・電話番号、担当医師の氏名・連絡先を控えておく → 申請時に必要な情報です。
⚠ 通訳費・翻訳費(例:日系クリニックでの通訳料など)は、海外療養費制度の対象外です。

帰国後、日本で行う手続き

①療養費支給申請書の入手 → 住民票のある自治体の窓口またはウェブサイトで入手可能。日系クリニックでも置いてある場合があります。

②診療内容明細書(Form A)の作成 → 治療内容の詳細を記入。日本語がわかる医師がいれば直接記入してもらえます。 → 中国語での診断書しかない場合は、日本語に翻訳し、自分で記入してもOKです。中国語原本+日本語翻訳の両方を提出します。書類は住民票のある自治体の窓口またはウェブサイトで入手可能。

③領収明細書(Form B)の作成 → 治療費の内訳を記入。中国元(RMB)で記載し、日本語訳を添付します。 → 医療機関が日本語に対応していない場合は、自分で翻訳して併記しても問題ありません。

書類は住民票のある自治体の窓口またはウェブサイトで入手可能。

④パスポートのコピー → 顔写真入りページと出入国スタンプのあるページを含めて提出。自動化ゲートを使用した場合などスタンプがない場合は、入出国記録の取得(出入国在留管理庁への申請)が必要です。
⑤国民健康保険証(原本)
⑥認印および日本の銀行口座情報
 → 給付金の振込先として使用されます。

手続きの流れ

①上記1〜6の必要書類を用意する。

②自治体の国民健康保険担当窓口(例:保険年金課)で申請。

③窓口で内容を確認してもらい、不備がなければそのまま受理。

④審査後、おおよそ2〜3カ月で振込完了。

支給される金額の目安

 支給額は、実際に支払った金額ではなく、日本国内で同じ治療を受けた場合の保険適用額をもとに計算されます。そのうち7割(自己負担3割)が支給されるのが原則です。
為替レートは、実際に治療を受けた日または支払った日のレートが基準となるため、帰国後の円高・円安は関係ありません。

 

最後に

中国で病院にかかることは、言葉の壁や手続きの煩雑さもあり、簡単なことではありません。万が一のために、出国前に健康状態を確認し、旅先でも無理をしないことが大切です。また、出発前に自治体で制度について説明を受けておくと、いざというときに安心です。

ご興味がある方は、下記までお問い合わせください

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