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【第22回広州モーターショー】極氪と領克の合併に伴う吉利の目論見2024.11.21

同じプラットフォームの領克Z10と極氪001。領克と極氪は吉利グループの傘下だが、11月14日に合併が発表された

股价暴跌23%,极氪与领克合并,兄弟联手意在硬刚比亚迪?

11月14日、吉利控股(Geely Holding)は、傘下の極氪(Zeekr)と領克(Lynk&Co)の株式構造を最適化し、両ブランドの統合を発表した。統合後、極氪が領克の51%を保有し、残り49%は吉利汽車(Geely Auto)の完全子会社が保有することになる。統合後、極氪のCEOである安聡慧氏が両ブランドを統括管理することが決定した。領克のブランド名は存続するが、チームと戦略は極氪に統合される予定だ。
極氪は2021年の「Geely Neonプロジェクト」から派生し、当初「領克ZERO」と名付けられた車両は後に「極氪001」と改名された。このため、極氪自体が領克から派生したブランドであり、今回の統合は「親が子に戻した」とも言える。
この発表を受け、11月14日の米国市場では極氪の株価が23.68%急落し、時価総額は55億ドルとなった。このことは、資本市場が統合に対して懸念を抱いている可能性を示唆している。

戦略的拡大から戦略的集中へ

領克09EM-P

 この1カ月間、吉利は3つの大規模な統合プロジェクトを発表し、大きな注目を集めている。10月9日、同社は幾何(Geometry)ブランドを銀河(Galaxy)シリーズに統合すると公表し、24年11月12日には新エネルギー車ブランド「雷達汽車(Radar Auto)」が吉利汽車グループに統合されることが報じられ、さらに11月14日には領克と極氪の統合が発表された。
これらの動きから明らかになったのは、同社の戦略が「戦略的拡大」から「戦略的集中」へと転換したことである。かつて、多くのブランドを買収・立ち上げる「買収王」として知られていた同社だっが、現在はブランド数を絞り、効率的な運営に重点を置いている。吉利汽車、領克、極氪、ボルボ、ロータス、スマート、ポールスターなど、10を超えるブランドを傘下に持つ同社だが、「ラインナップが多すぎて混乱する」との声も上がっていた。

多ブランド戦略は短期的に高成長をもたらしたが、将来的には販売競争での足かせになる可能性もある。ブランド数が多いと、研究開発やサプライチェーンの効率が分散し、資金やリソースの重複投資、ブランド間の競争が生じるリスクがあるため、戦略的な集中が同社の競争力を高める鍵となるのだ。
同社はまた、一連の内部統合により、同一セグメント内での競争を回避し、重複や不要なプロジェクトを削減することで、コスト削減と効率向上を目指している。24年9月20日には『台州宣言』を発表し、「戦略的集中」「戦略的統合」「戦略的協調」「戦略的安定」「戦略的人材」の5つの方針を掲げ、科学技術エコシステムの構築と競争力の向上を目指している。
これにより、同社は「大拡張時代」を終え、「大統合時代」に突入した。領克と極氪の統合はその第一歩に過ぎず、今後、吉利グループ内の主要ブランドがさらに統合され、協調と集中を通じて外部市場に対抗していく可能性が高い。

兄弟ブランドの連携で争いを回避

極氪007

 領克と極氪の統合は、以前からその兆しが見られていた。2023年9月5日、領克は初の純電動車「領克Z10」を発売。この車両は極氪001と同じプラットフォームを共有し、純電動ミドルサイズセダンとして位置づけられている。
業界関係者は、領克Z10の登場により、極氪001や007が微妙な立場に立たされたと指摘している。デザイン、動力形式、性能スペックが非常に似通い、価格設定もほぼ同じため、消費者には領克と極氪の競争が目立つ形となった。一部のユーザーからは、領克がEV市場に参入することで極氪の存在意義が薄れたとの批判もあった。

一方で、極氪がHV車に着手するという逆転現象が見られた。これに対し、業界の分析者は、吉利グループが両ブランドを連携させ、市場シェア拡大を狙っているのではないかと指摘しており、今回の統合によりこの予測が現実のものとなった。

領克07EM-P

 極氪と領克の統合を発表した同日、新浪科技は領克が行った防眩機能の削減が安全運転に影響を与えると報じた。領克07EM-Pの複数のモデルで、公式プロモーションでは内蔵後方ミラーに防眩機能が搭載されているとされていたが、実際にはその機能が欠如していたことが問題視されている。
また、領克車の旧モデルユーザーからは、車載システムのメンテナンスやアップグレードが難しいとの不満も寄せられており、領克が極氪と同水準のOTA(オンラインアップデート)やスマート化機能を提供することが求められていた。今回の統合は、これらのユーザーの声に応える形となる可能性が高い。

吉利は「第2の比亜迪」を目指すのか?

領克Z20

 吉利は2つの傘下ブランドを統合することで、比亜迪(BYD)に肩を並べる存在となれるのだろうか。2017年から21年にかけて、吉利汽車は自主ブランドの販売台数で常にトップを維持していたが、22年に比亜迪はEV市場の急拡大に乗り、1年で吉利を追い越し自主ブランドの首位を奪った。23年、比亜迪は世界の新エネルギー車市場で年間販売台数1位を獲得し、中国国内でも首位に立った。一方、吉利は168万台以上を販売したが、再び2位に甘んじている。
吉利グループCEOの桂生悦氏は、同社が首位を失った主な理由として、「乗用車部門の新エネルギー車転換の遅れと市場展開の不適切さ」を挙げている。2024年上半期の新エネルギー車市場の浸透率は39.3%に達し、同社の浸透率は前年同期の21.8%から33.5%に向上したが、市場全体の水準には届かなかった。

 上半期における同社の新エネルギー車販売台数は32万台を超えたが、年間目標81万台の約40%しか達成できなかった。主力モデル「銀河L7」や「領克08」の販売台数も減少し、下半期には新モデルを投入するものの、大量販売には苦戦が予想される。
同社は新エネルギー車分野で比亜迪に遅れを取っているものの、中国自動車市場は激しい競争の中で一社だけが勝者となるわけではない。吉利が「第2の比亜迪」となる可能性は十分にあり、最有力の候補といえるだろう。

最後に

極氪MIX

 過去70年にわたる中国の自動車業界の大きな出来事を振り返ると、極氪と領克の合併も新たな1ページを刻んだと言える。2024年、吉利はどのように自動車業界で輝きを放つのか、そして合併後にどのような新しい動きが見られるのか、周囲からの期待は高まりつつある。

 

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