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【中国】修理技術者は依然不足。新エネルギー車の修理の課題が浮き彫りに2024.11.07

买车容易修车难,新能源车维修困局显现:涨薪20%仍难觅“靠谱”维修人

「車両後部のエアコン操作パネル小型スクリーン交換で3万元」
「バッテリー交換で20万元」etc…

新エネルギー車の保有台数が増えるにつれて、このような「高額」な修理費に関するニュースはもはや珍しくなくなってきている。あるEVユーザーは、「EVのメンテナンスは比較的安価だが、修理に関しては部品の専門性が高く、費用も非常に高額になる」と述べており、この「EVは購入しやすいが、修理が難しい」という状況が業界の課題となっている。

専門技術者の不足が課題

新エネルギー車の修理には、従来のガソリン車とは異なる技術的な知識が必要だ。科波拉自動車コンサルティングサービスの王浩氏は、修理の現場で専門技術者が不足している点を指摘している。特に「三電システム」(バッテリー、モーター、電気制御)に関しては、従来のガソリン車の技術では対応が難しく、一般の修理店では修理ができないことが多い。このため、4S店舗(ディーラーの正規販売・修理店)での対応が必要とされるケースが増えている。
加えて、新興EVメーカーが経営難に直面し、アフターサービスを停止する事例も増加している。中国自動車流通協会によると、破産申請中や長期間の生産停止により、約16万人もの新エネルギー車オーナーが影響を受けていると報告されている。例えば、あるWMモーター(威馬)のオーナーは、前部バンパーが破損した際に、メーカーからの部品が手に入らなかったため、他車種からの部品を流用して修理を行わざるを得なかったと話している。このように、ユーザーが部品をストックし自ら修理に取り組むという状況が生じている。

国内の自動車修理市場では、一般部品に関しては他車種からの流用や代替部品の使用が可能であるため、基本的なメンテナンスや修理は問題なく行える。しかし、新エネルギー車におけるバッテリーやモーターといったコア部品は高度な専門知識と専用の技術が求められるため、修理や供給の面での課題が依然として残っている。
新エネルギー車の普及が進む中で、修理やアフターサービスにおける高額な費用、専門技術者の不足、部品供給の問題など、改善すべき課題が数多く残されている。

給与20%UPも難航する専門技師の採用

新エネルギー車の修理が難しい主な理由は、「経験豊富な専門修理人材が見つからない」ことである。現在、市場にいる新エネルギー車の修理技師は初級、中級、高級の三つのレベルに分かれており、初級は基礎的な修理知識を持つ技師、中級は一般的な故障の診断ができる技師、高級は三電システムの正確な修理ができる経験豊富な技師とされる。F6データ研究院によると、2020年から2023年にかけて三電システムの修理を提供できる店舗の割合は0.2%から1.3%に増加したが、実際にこのサービスを提供している店舗はわずか130軒に過ぎない。

 新エネルギー車の修理技師の月給は、3~4年の経験を持つ技師が約8000元から1万元である一方、ガソリン車修理技師の月給は6000元から8000元にとどまっており、高級レベルの新エネルギー車修理技師を見つけるのは非常に困難である。『製造業人材発展計画ガイド』によれば、自動車専攻を持つ高等職業学校は3000校存在するが、自動車業界に進む卒業生の割合は28.3%にとどまっている。多くの専門人材がメーカーのアフターサービスセンターに就職するが、実際新エネルギー車の修理現場に進む技術者は非常に限られている。

 工業情報化部の予測では、2025年までに省エネルギー・新エネルギー車関連の人材は120万人に達するが、103万人の人材不足が予測されている。中国自動車整備業協会の張延華会長は、新エネルギー車のアフターサービス人材が約80%を占めるが、現在の新エネルギー車整備技術者は10万人に満たない状況であると述べている。
上記の科波拉自動車コンサルティングサービスでは、新エネルギー車整備技術者の育成に力を入れており、CATLや一部の新エネルギー車メーカーと協力して、専用のカリキュラムを開発している。これにより、基礎的な知識の習得から実践訓練までを行い、修了者には認定技能証書が授与される。王氏は、技術者の育成を通じて新エネルギー車修理の課題解決に取り組んでいると説明している。

千億規模の市場が生む新たな機会と課題

 新エネルギー車の普及が進むなか、千億規模のアフター市場が新たなビジネス機会を生んでいる一方で、修理技術者不足や高額な修理費といった課題も浮き彫りになっている。以下は、新エネルギー車のアフター市場の構成である。

アフター市場の構成
①自動車メーカーによる閉鎖的なアフターサービスシステム自動車メーカーは、バッテリーメーカーやディーラーと連携し、「三電」(バッテリー、モーター、電気制御)システムの管理を厳格に行っている。この結果、部品供給や技術情報の流通が制限され、サードパーティの修理業者が市場に参入しづらい状況となっている。

②アフターサービス企業の市場参入

途虎やシェル、電動工坊などの企業は、新エネルギー技術に特化したトレーニング、店舗認証、洗車やカスタマイズサービスを提供することで、市場参入を進めている。
規範整備の進展

新エネルギー車のアフター市場の発展には、標準化や規範整備も重要である。2016年に設立された中国自動車整備業協会の技術・標準化委員会は、これまでに複数の標準規範を発表してきたが、修理基準の整備は依然として不十分。2021年以降、修理規範の策定や技術者認証トレーニングプログラムの開始が相次いでおり、今後さらに多くの基準整備が期待されている。

政府支援と市場の展望
新エネルギー車市場の発展には、補助金や税制優遇といった政府からの支援が不可欠である。2024年1月から9月の間における中国の自動車生産台数と販売台数はそれぞれ2147万台と2157.1万台を超え、新エネルギー車の普及率は50%を超えている。『中国自動車アフター市場維保業界白書』によれば、新エネルギー車の保険修理市場規模は約3000億元に達する見込みであり、市場のさらなる成長が期待されている。

今月の15日より第22回広州モーターショーが開催される。今回もたくさんのメーカーより多くの新エネルギー車が展示されるので、今回の記事を背景に参観すれば、きっと新しい発見があるかもしれない。

 

 

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