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【中国】「マラソンブーム」の背後にある経済的側面2024.10.24

マラソン選手。いらすとや
年々盛り上がるマラソンブーム
実際、中国の「マラソンブーム」は数年前からすでに盛り上がっている。『2023年中国ランニング大会ブルーブック』《2023中国路跑赛事蓝皮书》によると、2016年から19年までは中国のマラソン大会の爆発的に増加しており、19年だけでも全国で1828のランニング大会が開催された。
コロナ禍の後、マラソン大会は急速に回復し、23年には699の大会が開催されている。この計算によると、ほぼ毎日2つのマラソン大会が開催されることになっている。ある分析によると、このままいけば数年後には19年のピークを超える可能性もある。
マラソン大会の経済効果
広州マラソンのトップグループ
一方で、各地はマラソン大会の開催に非常に積極的だ。大型マラソン大会を開催するには、強力な動員能力、専門的な運営能力、多部門の協調と連携の能力、そして全面的で細やかな保障能力が必要となり、都市の総合的な運営能力を試す重要な場となっている。
多くの都市が楽しみながら大会を運営している主な理由は、大会がもたらす「流量」を重視しているためだ。これには参加者や観光客による人の流れ、各放送局やソーシャルメディアによるデータの流れ、そして文化・観光産業の発展を促す資金の流れが含まれている。
猟徳大道での折返し
天津マラソンを例にとると、主催者は非常に走りやすいコースを設けており、天津の象徴である「天津之眼」「解放橋」「世紀鐘」「民園広場」などのランドマークがマラソンと共に映り込む。五大道とイタリア風の異国情緒、海河の美しい景色、古文化街の歴史的風貌、そして「天開高教科創園」の活気など、天津の魅力を「一日で見尽くす」ことができるのだ。
最も美しいコースを作り、ランナーに最高の体験を提供することは、文化や魅力を展示し、都市をマーケティングするための絶好の機会といえる。都市の知名度、美誉度、満足度が向上すれば、都市の活力、魅力、影響力が強化される。これらはより長期的で持続的、そしてより重要視される総合的な利益であり、その価値は計り知れない。
成長が見込まれる産業分野
海心沙がゴールの広州マラソン
各地の実情に応じた大会運営と長期的な視野
現在のマラソンはブームの頂点に立っているが、無闇に流行に乗るべきではない。特に小都市での開催では「小さくて美しい」「小さくて独特な」ランニング大会を発展させる必要がある。また、既存のマラソン大会を今以上に盛り上げるためには、運営の専門化、社会化、市場化のレベルを向上させ、大会サービスを向上させ、参加者の体験を充実させることがより重要となる。経済的利益と社会的利益をバランスよく考慮し、大局的で長期的な視野で判断が必要だ。それは、ランニング大会が人々のフィットネス需要を満たすと同時に、経済と社会の融合発展を促進し、相乗効果を発揮することを目指すべきである。