636名の集合写真は普通のレンズでは入りきれないほどの最大級の規模

 

636名が参加、白熱したレースを展開

2025年5月24日（土）、佛山市南海区九江鎮において、「2025年総領事杯龍舟大会」が開催された。同大会は、在広州日本国総領事館、広州日本商工会、南海日商友誼会の三者によって発足され、今年で第5回目を迎える。選手443名、応援団193名の総勢636名が参加し、過去最大規模の大会となった。
会場は佛山市南海区九江鎮に位置する龍舟訓練基地であり、競技は片道200mの水上コースを20名の漕手が2回漕ぎ、その合計タイムを競う形式で実施された。

開会式終了後には、全参加者による準備体操が行われ、1度の試走を経て、午後から予選2本が行われた。予選の結果、合計タイム上位4チームが決勝に進出し、3位決定戦および優勝決定戦が実施された。

 

開会式にて挨拶を行う貴島善子総領事

 

在外公館長表彰式

 

記念品贈呈

 

手や足の関節を柔らかくさせる準備運動

 

大会前に2艇の龍舟に目を点じる神聖な儀式の「采青」

 

練習会スタート

 

日中代表が2艇の龍舟に乗込みタイムを競った代表戦

 

　同大会に参加した24チームの中には、開幕直後から士気高く声を上げるチーム、静かな闘志を内に秘めたチーム、さらには日本語と中国語が飛び交う混成チームも見られ、それぞれが個性を発揮しながら勝利を目指して健闘した。

 

広州商工会Iチーム

 

広州商工会Gチーム

 

3位決定戦

予選の結果は以下の通り。

1位:南海日商友誼会 Dチーム（1分39秒49）

2位:広州商工会 Bチーム（1分44秒83）

3位:南海日商友誼会 Kチーム（1分46秒93）

4位:南海日商友誼会 Eチーム（1分49秒84）

決勝戦では、南海日商友誼会 Dチームが2位の広州商工会 Bチームを大きく引き離し、見事優勝を果たした。今年の南海日商友誼会は特に健闘しており、上位10位以内に5チームがランクインするという好成績を収めた。
競技終了後の懇親会では、競い合った各チームの選手が健闘を称え合い、杯を交わすなど、和やかな雰囲気の中で親睦を深めた。参加者一同が次回の再会と勝利を誓い合い、大会は盛況のうちに幕を閉じた。

 

 

優勝決定戦で奮闘する広州商工会Bチーム

 

表彰式では、優勝カップを高々と掲げる南海日商友誼会 Dチーム

相互理解と信頼を築いていく波として

DragonBoat

Festival

　昨今の日中関係は、率直に言えば「友好」とは言い難い状況にある。そうしたなかで開催された同大会は、単なるスポーツイベントにとどまらず、国境や言語、先入観といった垣根を越える場ともなった。レースにおいては、言葉の壁よりも、いかに息を合わせ、全力を出し切るかが問われる。実際、選手同士が初対面であった混成チームが上位に食い込むなど、事前の交流が限定的であっても、共通の目標に向かう中で強い結束が生まれることが証明された。

 

懇親会では次回大会で王座奪回を誓う広州商工会Bチーム

　いがみ合う余裕などなく、目指すのはゴールと記録のみである。互いに心の壁を取り払い、利害や立場を超えて力を合わせたとき、人と人の間には確かな信頼と達成感が生まれる。龍舟という一艘の舟に乗り込み、同じリズムで漕ぎ進めるという競技は、まさに「呉越同舟」の象徴ともいえる。
同大会が、互いの立場や背景を超えて協力し合うことの価値を再認識する契機となり、今後、草の根レベルでの理解と信頼を築いていく波となることを願うものである。

 

同大会の結果