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小鵬汽車の「ジレンマ」。低価格モデルで販売台数を伸ばすも、赤字から抜け出せず2024.11.28

第22回広州モーターショーに出展した小鵬ブース。写真は小鵬G9
小鹏汽车「魔咒」:便宜车型走量,还是摆脱不了亏损
ここ2年間低迷していた小鵬汽車は、今年第3四半期に持ち直したように見える。低価格モデル「小鵬MONA M03」のおかげで、同四半期の販売台数は大幅に増加。また、VWからの技術サービス料収入や、車両の粗利益率の改善により、同社の粗利益率は過去最高を記録した。
アニキャラコラボモデルの小鵬M03
しかし、低価格モデルで販売台数を伸ばした結果、今年第1四半期の1台あたり平均販売価格は25.4万元、第2四半期には22.6万元、そして第3四半期には18.9万元にまで下がった。さらに、同社の業績予測によれば、第4四半期の平均販売価格はさらに下がる見通となっている。一方、収益状況を見ると、赤字脱却には至っておらず、第3四半期の純損失は18.1億元。前年同期比で縮小したものの、前期比では拡大している。
注目すべき点として、同社の年間販売目標達成率は43.7%にとどまっており、残り時間はわずか2カ月しかないということだ。
車販売より儲かる技術販売
24年後半から納車がはじまる小鵬P7+
同社の財務・会計副総裁である呉佳銘氏は、電話会議で売上総利益率向上の理由を説明した際、「一つはコスト構造の継続的な改善、もう一つはバッテリーコストの低下によるポジティブな影響だ」と主に2つの要因を述べている。
同氏によれば、2024年第4四半期から納車が開始される「小鵬P7+」がコスト削減目標を達成し、車両の売上総利益率も二桁台に到達。第3四半期から第4四半期にかけて車両全体の売上総利益率がさらに向上すると予想されている。
しかし、同社の今期の売上総利益率大幅向上に最も貢献したのは、VWとの協業だった。決算報告によると、2024年第3四半期のサービスおよびその他の収入は13.1億元で、2023年同期の6.9億元から90.7%増加。この増加は、主にVWとのプラットフォームおよびソフトウェア戦略、電子電気アーキテクチャ技術戦略に関連する技術研究開発サービス収入の増加によるものとされている。
年間目標の達成は困難か
MPV小鵬X9の外観と内装
今年2月、同社とVWはプラットフォームおよびソフトウェア戦略技術に関する共同開発契約を締結し、車種およびプラットフォームで共通部品の共同調達計画を決定。また、今年7月には電子電気アーキテクチャ技術戦略に関する共同開発契約を追加で締結し、両社は中国市場向けのCMPおよびMEBプラットフォームで業界トップの電子電気アーキテクチャを開発するため全面的に協力するとしている。
ソフトウェアや技術サービスの収益性は、車両販売を上回るほどだ。決算報告によると、2024年第3四半期のサービスおよびその他の利益率は60.1%で、2023年同期の36.1%および2024年第2四半期の54.3%を大幅に上回った。この増加は、前述の技術研究開発サービスからの収入が高い売上総利益率を持つことによるものだ。
つまり、同社が過去最高の毛利率を記録できたのは、車両販売の貢献だけでなく、VWから得た技術サービス料が大きく寄与したということである。
来年黒字化を達成できるか
ミニバンが増えている中国。小鵬X9
販売台数と粗利益率は大幅に改善したものの、同社は依然として赤字を脱却できていない。財務報告によると、2024年第3四半期の総収益は101.0億元で、前年同期比18.4%増、前期比24.5%増となった。一方、純損失は18.1億元で、前年同期の38.9億元の純損失、前期の12.8億元の純損失と比べると縮小傾向にはあるものの、前期比では赤字幅が拡大している。米国会計基準(GAAP)を適用しない調整後の純損失は15.3億元で、前年同期の27.9億元、前期の12.2億元の純損失と比べると同様の傾向を示している。
つまり、どの会計基準を用いても、同社の第3四半期の赤字は前年同期比で縮小したものの、前期比では拡大している。
黒字化の見通しについて、同社の副会長兼社長である顧宏地氏は電話会議で、「2年前に公表した通り、小鵬汽車は2025年のどこかの時点、具体的には来年末頃に1維持し、一歩一歩着実に進んでいこう。次の大きな飛躍は2025年のどこかで訪れるだろう」と強調した。