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【10月14日は鉄道の日】北の大地を駆け抜ける観光列車の星光・燕趙号に乗車2025.10.14

9月上旬、観光列車の体験を目的に北京を訪れた。2025年7月に颯爽と登場した「星光・燕趙号」は、繁忙期には毎日、閑散期には週末限定で北京と秦皇島を往復している。中国鉄道北京局と中旅グループ傘下の星光が共同で運行し、座り心地の良い座席と、執事のようにきめ細かな“管家式”サービスを備えた、上質な旅を演出している。出発が近づくにつれ、胸の高鳴りを抑えられなかった。

 

チケットは12306で

チケットの買い方手順1

 星光・燕趙号の切符は、シルクロードエクスプレス(絲路享夢号)のように微信ミニプログラム経由ではなく、中国鉄道公式アプリ「12306」から購入する。 ただし通常列車の画面からではなく、「門票・旅游」カテゴリーを選ぶ必要がある。地域を「北京」に設定し、「旅游列車」の項目を開くと、各地発の観光列車ツアー一覧が表示される。10日以上・5000〜2万元超の長期ツアーが並ぶ中、星光・燕趙号はたいてい最上部に表示される。

チケットの買い方手順2

 日程を選択し、個人登録の上で微信支付などを使って決済すれば購入完了。座席は指定制だが、乗客が少なければ自由に移動しても問題はない。料金は片道普通席319元、4名個室2388元の2種類。所要約4時間のため、個室にこだわらなければ普通席でも十分だ。

案内SMS通知が来たのは乗車前日の21時前後

 唯一困るのは、購入後に確認連絡が一切来ないこと。前日の夜21時前後、ようやくSMSで乗車駅や座席位置の案内が届く。このときの列車番号はY962次だった。

秦皇島駅から乗車

2025年9月の秦皇島駅
 今回は北京発ではなく、折り返し運転の秦皇島駅から乗車した。 当日の朝、広州から北京西駅に到着する列車は6時半過ぎ。地下鉄で北京駅に向かえば1時間はかかる。発車時刻を7時55分と勘違いしていたが、実際は8時35分発に変更されており、慌てる必要はなかった。ただ当時はその変更を知らず、午後発の12時57分秦皇島行きに間に合うよう、北京南駅から高鉄で天津経由で向かった。

北京から出発した列車がこちらに向かっていると知り思わずニンマリ

 秦皇島駅の改札掲示に「Y962次」の表示を見つけたときは思わずニンマリ。12時37分、SMSの案内どおり改札が始まる。人工改札でパスポートを提示して構内へ。ホーム最奥の停車位置までスーツケースを抱えて歩くのは骨が折れたが、未知の列車に乗れる興奮が疲れを忘れさせた。
ちなみに、京瀋高鉄が開通して以降、秦皇島に停車する列車は激減。北京方面の切符を買う際は注意が必要だ。

目を見開く「移動型文化展示空間」

鉄道ファンにとって先頭車撮りは気合が入る。20年前に登場した東風11G型。登場してもう20年経つなんて信じられない。2030年以降は未定
各車両の外観は北京、天津、河北省の無形文化遺産がラッピングされている。ベースは25G系車両
食堂車だけど、完全なプライベートルームの5号車、価格は4名合計で2388元なり

 エスカレーターを降りると、先頭には機関車が鎮座していた。撮り鉄としては見逃せない瞬間だが、近年はホーム外にはみ出して停車したり、駅員が撮影を制止する場面も多い。今回の牽引機は専用色の東風4D型ではなく、希少種の東風11G型。北京~東北、広州~湛江方面でしか見かけなくなった永久連結内燃機関車だ。2030年頃には退役しそうで、思わず夢中でシャッターを切った。
列車は8両編成。青のグラデーションを基調に、燕趙(春秋時代に存在した国)地域の自然と文化をテーマにした外観。各車両が異なる文化テーマを持つ“移動型文化展示空間”として構成されている。

座席車は1+2列。1列席は窓側(北向き)になっている。1車両52名定員。折りたたみテーブルの下には充電用コンセントプラグがある

編成テーマ(秦皇島→北京方向)
7号車:星空と灯光の幻想世界(展望車)6号車:燕趙の自然風景

5号車:京津冀協同発展の現代絵巻(テーマレストラン)

4号車:張家口の雪景色

3号車:北京と河北の伝統建築

2号車:京劇など非物質文化遺産

1号車:「旭日東昇」―始まりの象徴
0号車:電源車

 乗客定員は208名。1+2列配置で、1列側は回転式シート。2列側には充電設備とパワーシートが備わる。テーマレストラン車(5号車)は既に先客で賑わっており、内部の全貌は見られなかったが、広めの空間に4人掛けのテーブルが並ぶようだった。「管家式」サービスを謳うだけあって乗務員の対応も素晴らしい。ちゃんとお客様扱いしてくれる。

ひっきりなしにやって来る大秦線貨物列車。最長は2.6㎞にも及ぶ

 秦皇島駅を発車する際、日本のODAで整備された大秦線の貨物列車が横を通過。216両・全長2.6㎞にも及ぶ石炭列車が山西省へ向けて空の貨車を引いていく。山西から運ばれた石炭は秦皇島港から華東・華南の港へ船で運ばれる。そんな貨物列車を横目に、星光・燕趙号は静かに走り出した。
車内ではエンターテインメントが展開

展望車の7号車は、北京行きだと機関車の後ろに付くため景色の恩恵が受けられない

1号車も観光車

車内サービス。お粥は重かった

 夏休み明けの週末とあって乗客は少なく、1車両に5〜6人ほど。テーブルの電源でスマホを充電しながら、のんびり車窓を眺めてうたた寝。途中、北戴河駅と唐山北駅に停車する。配られた軽食を昼食代わりにしつつ、穏やかな時間が流れる。
生バンド演奏とダンスショー

星光・燕趙号データ
北京〜秦皇島〜北京(Y961/962次)時刻:8:35→11:55、12:37→16:25

乗車時間:3時間20分/3時間26分

距離:299㎞

北京局鉄道集団有限公司、中旅集団

料金片道:391元(座席)、2388元(個室)

ご興味がある方は、下記までお問い合わせください

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