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【はたらくじどうしゃ】電動作業車の初披露とCO₂削減に向けた取組【JAL日本航空】2025.02.27

アジア初導入の電動作業車を初披露

1月27日に関係者に初披露されたJALが導入した電動ハイリフトローダー(HL)。機内に搭載するコンテナの搬入、搬出を行う

 

日本航空(JAL)は1月27日、羽田空港第1ターミナルにおいて、空港のCO₂削減に向けた電動ハイリフトローダー(HL)および電動ベルトローダー(BL)のお披露目会を開催した。本イベントには、メディアおよび関係者20名が参加した。披露会では、当日運航されたJL306便(福岡→羽田)の到着作業を、電動化されたHL、BL及びTT(トーイングトラクター)を用いて実施した。

 

電動BLは、積み残された荷物やペットを飛行機後部の貨物室に搬入する際使用される

 

トヨタ製EVのTT。コンテナドーリーという台車を牽引して搭乗客の手荷物を空港と飛行機間を運ぶ

 

同社は、従来のエンジン車を電動化することで、CO2排出削減をはじめとする環境負荷の低減を図り、持続可能な空港運営を推進している。披露会は、第1ターミナルの第3スポットおよび第9スポットにて実施された。HLには、ドイツ製の「チャンプ70seネオ」に日本の充電インフラに適合させた仕様の車両を採用している。
電動化にあたり、課題となるのが充電装備。JALでは、電動HLに3相200V60A(アメリカン・ロック)の電源コネクタ、リチウムイオン電池のオンボードチャージャー、20mコードリールを搭載することで、この課題を解決している。同様に、電動BLにおいても3相200V60A(アメリカン・ロック)の電源コネクタ、リチウムイオン電池のオンボードチャージャー、30mコードリールを備えている。
電動HLは世界で39台が製造されているが、東アジアにおいてはJALが初めて導入した。

 

JALのCO₂削減目標と取り組み

電動ハイリフトローダー(HL)

JAL306便機体(A350)の前後にある貨物室から積出されたコンテナの搬出を行う電動HL

 今回JALの披露会を主催した背景には、国土交通省航空局が提唱する脱炭素施策の一環として、空港施設および空港車両のCO₂排出削減を推進していることがある。同社は、2030年までに2019年比でCO₂排出量を10%削減し、2050年には実質ゼロを達成することを目標としている。この目標を実現するために、同社はさまざまな取り組みを進めている。
まず、航空機の運航におけるCO₂削減策として、①燃費性能の高い最新鋭機の導入、②持続可能な航空燃料(SAF)の活用、③運航の最適化による燃料消費の抑制を推進している。さらに、排出権取引や新技術の導入も活用し、2030年までに10%の排出削減を目指している。
HLの電源。JALによると、フル充電からの使用時間は2日間、バッテリー残量20%からのフル充電は4〜5時間
また、地上施設や車両のCO₂排出量についても、2019年比で35%削減(9.6万トンから6.2万トン以下)することを目標に掲げている。そのために、①空港車両のEV化②軽油代替燃料の活用を進めており、すでに羽田空港と成田空港では電動TTを導入し、沖縄では電動航空機牽引車の運用を開始している。

さらに、松山空港にはリチウムイオンバッテリー式電源装置の電動GPU(eGPU)を配置し、成田空港ではハイブリッド型のトーバーレス式航空機牽引車を配備するなど、各空港での取組みを加速させている。
EV導入に向けた充電インフラの整備も重要な課題であり、同社は関係事業者と連携してその推進に取り組んでいる。さらに、省人化・省力化を目的としたリモコン式航空機牽引車や自動運転TTの導入により、現場の負担軽減を図っている。

 

バイオディーゼル燃料の活用

機内に飲料や食べ物を運ぶケータリングカー

 また、EV化と並行して、バイオディーゼル燃料の活用も積極的に進めている。同社は2022年に熊本空港でバイオディーゼル燃料の実証運用を開始し、現在では全国15空港に展開。熊本空港では軽油を30%混合したB30を使用し、他の14空港では純度100%のB100を使用している。今後もEV化と併せて導入を拡大し、さらなるCO₂削減を進める方針だ。

 バイオディーゼル燃料の特長として、CO₂削減に貢献する4つのポイントが挙げられる。まず、CO₂排出量が「実質ゼロ」となる点である。エンジンの稼働時にはCO₂を排出するものの、原料となる植物が成長過程でCO₂を吸収しているため、カーボンニュートラルの考え方に基づき、B100を使用すれば実質ゼロとみなされる。

 次に、黒煙(スス)の排出量が軽油の3分の1以下であるため、大気汚染の抑制にも寄与。さらに、バイオディーゼル燃料は既存の軽油車両にそのまま使用できる「ドロップイン燃料」であり、特別な改造を施すことなく導入可能な点も大きな利点だ。

 さらに「地産地消」の仕組みを活用し、空港周辺で廃食油を回収・精製して使用することで、燃料輸送に伴うCO₂排出を抑制する取組みも進められている。

例えば、鹿児島空港では霧島市と協定を結び、市民から廃食油を回収して燃料として活用する試みが始まっており、廃食油の回収率向上や脱炭素意識の醸成が期待されている。

 

その他同社の取組として

小型機の前輪を車体に乗せて牽引する電動航空機牽引車

実際の機体(A350)を使って作業光景を披露した

 同社のその他の取組として、東京都の「空港等における燃料電池車両の早期実装化支援事業」に参加し、退役した航空支援車両を水素車両に改造し、その導入効果を検証している。
本事業では、株式会社JALUXが代表事業者として統括し、JALが退役車両を提供して試験運用を実施。JALエアテックが車両整備と水素充填を担当し、改造はタジマモーターコーポレーションが行う。
今後のスケジュールとして、2025年3月までに改造を完了し、同年7月から羽田空港で実証実験を開始する予定だ。事業の実施期間は2026年3月までとなっており、この期間を通じて水素車両の導入可能性を検証し、空港の脱炭素化をさらに推進していく。

ご興味がある方は、下記までお問い合わせください

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